1 はじめに
皆さんこんにちは。Web管理人のかーらです。本日は「現在形」と「現在進行形」に関する記事となります。学校英文法においてかなり早い段階で習うことになる「現在形」と「現在進行形」ですが、実は多くの方がその使い方を混同しています。「和訳はできるけど何が違うと聞かれるとうまく言語化ができない…」もし心当たりがあるならばぜひ最後まで記事を読んでみてください。また、TOEICのPart5対策として時制問題の学習を行いたい方にとってもかなり有益な情報となっておりますのでお見逃しなく。
また、今回の記事では「3人称単数」や「be動詞の使い分け」については触れていないのであらかじめ了承お願いします。
2 現在形とその使い方
2.1 現在の習慣を表す現在形
まずは現在形とその用法について確認していきましょう。おそらく多くの方は「現在形は今の話をする時に使う」と考えるでしょう。しかし、それだけで現在形を理解するのは危険と言えます。なぜならば、現在形は「現在」にあまりフォーカスを当てていないからです。
それは一体どういう事なのか。次のような英文を例にして考えてみましょう。
Mary studies English every morning.
「Maryは毎朝英語を勉強する。」
おそらく英語を少しでも勉強していれば和訳に苦労はしないかと思います。
ではここで1つ問題です。この文章に登場するMaryは今この瞬間に英語を勉強しているでしょうか?現在形を「今の話」と捉えるならばYesと言わざるを得ないでしょう。
しかし残念ながら、実際はこの瞬間も英語を勉強しているとは断言できないです。なぜならば、現在形は「現在もなお続いでいる習慣」を表しているからです。
この英文で言うならば、Maryには、「朝に英語を勉強する習慣がある」と解釈するのが正しいのです。
従って、この話をしているのが朝であれば、「この瞬間にも英語を勉強している」と解釈できます。一方で話をしているのが朝でないのであれば、「今この瞬間は英語を勉強しているとは限らない」と解釈できるわけです。
「現在もなお続く習慣を表す現在形」は大抵の場合、習慣を表す副詞(句)がセットで使われるケースが非常に多いです。今回の例文で言えば”every morning”が該当します。同じように”every day”や”on Mondays”など、習慣をいつ行うのかを表せるような表現と非常に相性が良いです。
また、習慣の頻度を表す”often”や”frequently”等の表現とも一緒に用いられる場合が非常に多いです。これらの用語に着目できれば問題を解く際の大きな手がかりとなるので、是非とも時制の問題を解く際にはこれらの副詞(句)を探してみてください。
2.2 不変の真理を表す現在形
現在形には「現在もなお続く習慣」以外にも表すことができる用法が存在します。それが、「不変の真理」と呼ばれる用法です。
この用法は物理法則のような、変わることがないであろう事実に対して使用されます。
こちらも英文を例に考えてみましょう。
The earth goes around the sun.
「地球は、太陽の周りをまわっている。」
The Sun sets in the west.
「太陽は西に沈む。」
今回は例文を2つ用意してみました。どちらの文章にも共通するのは「余程のことがない限り変わることのない事実である」ということです。「地球が突然太陽の周りをまわらなくなる」こともなければ「太陽が東へ沈む」こともないですよね。
このような「変わりようのない事実」が英語においては現在形で表されるのです。
TOEICのPart5でも、時々見かける用法なので600点以上を目指すのであれば必ず知っておきたいところですね。
2.3 確定した未来
現在形は、「確定した未来」についても表すことができます。
この例として、最もよく言及されるのが往来発着と呼ばれる動詞です。
“go”, ”leave”, “start”, “arrive”等の出発や到着に関する表現が、これに該当します。
往来発着の動詞は、例え動作が未来に起こるとしても、未来形を伴わずに使われることがしばしばあります。
意味を混同しがちな未来形の英文と比較してより理解を深めてみましょう。
( A ) The train leaves for Tokyo at 3 p.m. and arrives at Kanagawa at 5 p.m.
「その電車は3時に東京を出発し、5時に神奈川に到着する。」
( B ) The train will leave for Tokyo at 3 p.m. and arrive at Kanagawa at 5 p.m.
「その電車は3時に東京を出発し、5時に神奈川に到着するでしょう。」
( A )と( B )の違いは分かりましたか?
( A )の文章は確定した未来を表しています。疑う余地なく、電車は3時に出発をして5時に神奈川に到着するのです。
一方( B )は、( A )と比べかなり主観が入っているような印象を受けます。話し手の予想に近いといっても良いでしょう。「もしかしたら遅延をして遅れてくるかもしれない。」そのような話し手の配慮を感じる表現です。
私自身は確定した未来を表す用法は2.2で扱った「不変の真理」に近しいものとして捉えています。「近い未来に起こる変わりようのない事実」だと考えれば納得できるかもしれませんね。
2.4 その他の現在形の用法
ここから紹介する現在形の使い方はかなりマイナーです。TOEIC学習や基礎の理解だけで十分だという方は読み飛ばして頂いても問題ありません。
まず1つ目が、英記事のタイトルです。英新聞のタイトルは短く簡潔に表記されるものです。従って、title(タイトル)やheadline(見出し)に動詞が使われる場合には、例え過去の話であっても現在形が好んで使われる傾向にあります。
また、be動詞についてもほとんどの場合省略されてしまうので、慣れるまではかなり注意して読んでみましょう。
次に紹介するのがことわざです。英語におけることわざは厳密には現在形だけで構成されているわけではありません。しかし、従属節で用いられる場合、時制の一致の影響を受けないという面白い用法です。言葉のみであるとかなり分かりづらいかと思いますので実例を提示しておきます。
In the financial class, Our teacher, Mr. Oka told us that time is money.
「金融の授業で、岡先生は私たちに時は金なりと教えた。」
通常、that節の中にある動詞の時制は、主節である”told”と時制を合わせなくてはいけません。しかしながら、ことわざに関してはこのルールは適用されません。知らないとついつい間違えてしまう内容ですのでライティングをする際には十分注意しましょう。
また、時制の一致を受けないのは2.2で紹介した「不変の真理」にも該当するので覚えておきましょう。
3 現在進行形とその使い方
3.1 現在行なっている動作を表す現在進行形
ここからは現在進行形の用法について解説をしていきます。
最初に解説するのは「現在行なっている動作を表す進行形」です。要する動作を行う最中のみ使える表現です。これはおそらく皆さんが学校英文法で扱うものと解釈が一致していると思います。念の為英文の例を提示してもう少し詳しく解説をしておきます。せっかく現在形についても扱ったので、現在形と現在進行形の比較も行いたいと思います。
( A ) Tom is reading an English book now.
「Tomは今英語の本を読んでいる。」
( B ) Tom reads English books.
「Tomは英語の本を読む。」
( A )は現在進行形を使っています。”今現在”英語の本を読んでいると今の動作にフォーカスを当てた表現です。裏を返すならば、Tomが習慣的に本を読むのかどうかははっきりしない文章です。
一方( B )は現在形を使った文章です。現在形は「今現在も続く習慣」を表せるわけですので、「Tomには英語の本を読む習慣がある」という解釈になるわけです。「今現在英語の本を読んでいるとは限らない」とこによく注意しましょう。
現在進行形も、現在形同様に相性の良い副詞表現があります。それはズバリ”now”です。この表現が文中にある場合、ほとんど間違いなく現在進行形となるでしょう。TOEICでこの形式が出題されたら、かなりのサービス問題ですので相性の良い副詞表現は必ず探す意識を持ちましょう。
3.2 近い未来を表す現在進行形
現在進行形にはもう1つ代表的な用法があります。それが「近い未来を表す現在進行形」です。現在形にも「確定した未来」を表す用法があるので混同しやすいですが、近い未来を表す現在進行形には明確な判断基準があります。それは、「動作の準備を始めていること」です。
こちらも英文を使って解説します。
I am leaving for Tokyo tomorrow.
「私は明日、東京を出発します。」
この文章には”tomorrow”が入っているので、明日の話をしていることは確定ですね。ではなぜそれを進行形で表せるのでしょうか。その理由は、この文章において東京を出発するための準備がすでに始まっているとみなされているからです。
そもそも皆さんは「動作が進行している」とはどの地点から言えることだと思いますか?
東京を出るために電車や飛行機に乗った瞬間からでしょうか。それとも、家の外に出た瞬間からでしょうか。結論から言えば、英語における現在進行形は「その動作をするための準備を始めた段階」からすでに動作が進行していると考えるのです。
東京を次の日に出るとなったら、それに向けた荷造りや移動手段の模索を行いますよね?これこそが動作をするための準備に該当するわけです。繰り返しになりますが、英語では「準備を始めた瞬間」から動作が進行しているとみなします。つまり、現在進行形で表すのが最も適切となるわけです。
3.3 現在進行形を好まない動詞
ここまでは現在進行形の基本的な使い方について解説をしてきました。ここからの内容は着目するポイントを少し変えて、進行形と相性の悪い動詞についてのお話です。
動詞の分類の1つに「状態動詞」と「動作動詞」があります。これらは名前の通りで、”live”, “like”のような具体的な動作を伴わない動詞が「状態動詞」と分類され、反対に”eat”, “run”のような具体的な動作が伴う動詞が「動作動詞」に分類されます。
具体的な判別方法として、その動作をやめようと思った時に5秒以内にやめられるかが用いられます。例えば、「住んでいる」と言う動作を瞬時に止めることは不可能ですよね?つまりこれは状態動詞であることを意味します。
逆に「走る」動作は、やめろと言われればすぐに止めることができますね。つまりこれは動作動詞であることを意味します。
ここで取り上げるのは状態動詞で、実は進行形とセットで使われることがほとんどないのです。
これは、状態動詞と進行形のそれぞれの使い方を考えれば納得しやすいです。
状態動詞は先ほど説明したように継続的な動作となっています。言い換えれば、「習慣」に分類されるわけです。しかし習慣を表すのは現在形の領域でしたよね?したがって、今この瞬間の動作にのみフォーカスを当てる進行形とは相性があまり良くないのです。
しかしながら、完全に一緒に使えないと言うわけでもないです。次の英文をご覧ください。
John is living in Tokyo now.
「Johnは今東京に住んでいる。」
この文章は英文法的には何も間違っていません。ではどのような解釈をされるのでしょうか。
結論から言うと一時的な動作であると言う文意になります。
今回の和訳にこのニュアンスを取り入れるならば、「Johnは今(だけ一時的に)東京に住んでいる」となります。近いうちに引っ越すのかもしれませんし、出張で1ヶ月間だけ東京に住んでいるのかもしれません。
こういった、「今だけ」を強調する場合のみ、状態動詞と進行形は一緒に使うことができます。
4. まとめ
以上が現在形と現在進行形の用法となります。細かいニュアンスを押さえておけば、いざと言う時にどちらの表現を使うべきかがはっきりします。また、少ない文章の中から読み取れる情報量もかなり変わってきます。
TOEICで高得点を目指したい方や英文法を固めたい人は何度も復習して、理解するようにしておきましょう。
では、最後に全体の重要な部分を再度箇条書きにして、この記事を締めくくりたいと思います。
お疲れ様でした。
現在形
・習慣を表すことができる
・不変の真理を表すことができる
・近い未来を表すことができる
・英語の記事のタイトルは現在形になる
・ことわざで使われる現在形は時制の一致の影響を受けない
現在進行形
・現在行なっている動作を表すことができる
・近い未来を表すことができる
・状態動詞と現在進行形は稀なケースでしか一緒に使われないので注意