文に彩りを与える形容詞。母語が日本語である我々にとっても多少のなじみはあるだろうが、英語では使いづらいと感じる場面も少なくないだろう。
この記事は英語を1からしっかりと学びたいと思っている人や形容詞のあやふやな認識をしっかりとしたものへ昇華させたい人に向けた記事であるため、基礎が固まっている場合には読み飛ばすことを推奨する。
修飾語とは何なのか
形容詞についての定義をする前に、英語において重要要素である、修飾語について説明しておく。
英語学習において、必ずといっていいほど耳にする言葉なので確実に押さえてほしい。
修飾語とは、他の言葉の説明をする働きを持つ言葉のことである。
明確なルールはないが以下のような規則性があることが言えるだろう。
①1語であれば修飾する言葉の前につく
②2語以上であれば修飾する言葉の後ろにつく
実際に例文を使っても確認してみよう。
以下は修飾語を用いた例文である。
① Thank you for your wonderful opinion. (素晴らしい意見をありがとう!) ② We have played a number of games. (私たちはたくさんのゲームを遊んだ。) ③ He want something to drink. (彼は飲み物が欲しい。)
①が1語で直後にある”opinion”を修飾している例である。このように、1語で修飾をする場合には修飾する言葉の直前に置かれる傾向がある。
しかし一方で、②のように、2語以上であっても前に置かれる修飾語もあるので、あくまでこのような規則性があるぐらいの感覚でいるといいだろう。
③は2語以上である修飾語が後ろから修飾する例である。”something”に対しての情報を補足しているので修飾語とみなすことができる。
形容詞とは何なのか
修飾語についてざっくりと理解できたところで、本題の形容詞の定義に移ろう。
形容詞とは、物事や状態に対して特定の性質や特徴を示す言葉である。
物事の状態や状態を説明するという特性上文法的な定義としては、名詞を修飾する or 補語になる という2点が挙げられる。
いくつか具体例を挙げて考えてみよう。
以下は形容詞の例である。
pretty(かわいい)・wonderful(素晴らしい)・interesting(興味深い)・ big(大きい)・long(長い)・realistic(現実的な)・Japanese(日本の) など
以上のように物事や状態に対して特定の性質や特徴を示す言葉が、形容詞である。
形容詞には「い」段で終わるもの、「〜的な」、「〜の」で終わる傾向が強くみられるので、覚えておくと判別が楽になるだろう。
形容詞と状態動詞の違いについて気になる人は以下の記事を参照してみてほしい。
限定用法と叙述用法
形容詞についてのイメージがつかめたところで、形容詞の使い方について説明していく。
先ほど、形容詞は名詞の修飾か補語になるという話をした。
そこで、この2つについてもう少し深掘りをする。
まず、名詞の修飾をするという点だが、これは修飾語の説明でも行なったように、名詞の前後に形容詞を置くことで名詞の修飾を行うことができる。
英語ではこれを限定用法と呼ぶ。
実際に例文を使って、確認をしてみよう。
以下は限定用法を使った例文である。
① This refined machine help me organize document. (この洗礼された機械は私が書類をまとめるのに役立つ。) ② There are many students at this school. (この学校にはたくさんの学生がいる。)
①、②共に限定用法の例である。
①は形容詞である”refine(洗礼された)”を名詞である”machine(機械)”の前に置くことで修飾をしている。
②も同様に形容詞である”many(たくさん)”を名詞である”students(学生)”の前に置くことで修飾をしている。
このように形容詞の中には数を表すものが存在する。このような形容詞を数詞と呼ぶ。
数詞の特徴として、必ず名詞の前に置かれることが挙げられる。
しかし、先ほども説明したように形容詞には名詞を修飾する限定用法以外に、文章の補語になる用法がある。これを叙述用法と呼ぶ。
叙述用法も名詞についての説明を行なっているのだが、異なる点として名詞の前後に必ず現れるわけでなく、むしろ動詞より後ろの決められた位置に現れることが挙げられる。
実際に例文を使って、確認しよう。
以下は叙述用法を使った例文である。
① He is afraid of making a mistake. (彼は間違いを恐れている。) ② That news made him happy. (そのニュースは彼を喜ばせた。)
①はSVC(第2文型)における叙述用法の例である。be動詞を使う際にはほとんどの場合SVCの第2文型になると考えて間違い無いだろう。
この場合はHe = afraid 、つまりS = Cの関係が成り立つ。
②はSVOC(第5文型)における叙述用法の例である。makeには色々な用法があるが、これはその中の一つである”make O C”(OをCにする)の用法だ。
この場合はhim = happy、つまりO = Cの関係が成り立つ。
まとめ
今回の記事では形容詞の基本知識について確認を行なった。
まとめると以下のことが言えるだろう。
①修飾語とは他の言葉の説明をする働きを持つ言葉のこと
②形容詞とは物事や状態に対して特定の性質や特徴を示す言葉のこと
③形容詞はその働きで限定用法と叙述用法に分けられる
④限定用法とは名詞の前後に置くことで名詞を修飾する用法のこと
⑤叙述用法とは文章中で補語になる用法のこと
以上の特徴を押さえて形容詞をマスターしよう。