私たちが言語を扱うときに欠かせない”動詞”は、他言語である英語の学習には欠かせない要素となるだろう。
本日は英文の根幹をなす動詞についての基本的な種類や使い方、考え方について解説をしていく。
この記事は英語を1からざっくりと学びたいと思っている人や動詞のあやふやな認識をしっかりとしたものへ昇華させたい人に向けた記事なので、基礎が固まっている場合には読み飛ばすことを推奨する。
動詞とは何なのか
早速、動詞についてのざっくりとした定義をしよう。
動詞とはつまり、“文中の行動や状態を表す品詞”である。
また、日本語で考えるのであればほとんどの場合「う」段で終わることも挙げられるだろう。
いくつか具体例を挙げて考えてみよう。
以下は動詞の例である。
run(走る)・eat(食べる)・live(住む)・think(考える)・see(考える) など
このように、動詞とは文中での行動や状態を表す品詞である。
加えて、動詞すべてに共通するルールを確認してみよう。
以下は動詞における共通ルールである。
①肯定文において、主部の次に置かれる(命令文を除く)
②現在形・過去形・過去分詞形と活用を持つ
*主部 : (能動態において)動作主およびその修飾語のこと
動作動詞と状態動詞
動詞の定義や共通のルールを確認したところで、動詞の分類を行なっていく。
動詞には様々な分類が存在するので、それら1つ1つに焦点を当ててみよう。
まずは、動作動詞と状態動詞について考える。
先ほど、動詞とは”文中の行動や状態を表す品詞“であると定義したが、裏を返せばその特性は行動を表す動詞と状態を表す動詞に分類できるのだ。
行動を表す動詞を動作動詞、状態を表す動詞を状態動詞と呼び、これらは実は文法的な違いを持つ。
動作動詞について考えてみる。
動作動詞の例を確認してみよう。
run(走る)・play(遊ぶ)・eat(食べる)・push(押す) など
このように、動作を伴うようなものが、多くの場合は動作動詞に分類される。
同様に状態動詞についても考えてみる。
状態動詞の例を確認してみよう。
be(〜である)・live(住む)・know(を知っている)・like(を好む)・see(見る) など
このように特定の動作を持たない状態を表すものが、状態動詞に分類される。
先ほど、動作動詞と状態動詞については文法的な違いを持つと説明したが、これは進行形を取れるか取れないかというように説明される。
これについても確認しておこう。
状態動詞はよく、進行形に慣れないと説明される。
これについていろいろな考え方があるのだろうが、私個人としては、状態動詞の特性と進行形のニュアンスの差にあると結論付けている。
状態動詞とは、特定の動作を持たない状態を表す物だと説明したが、その特性上、多くの場合その瞬間の状態ではなく長いこと続くような状態である。
一方で、進行形は、その瞬間のみにフォーカスを当てるような文法なのだ。
“He is running.(彼は走っている)”という文があれば、そのニュアンスは(いつから走っているのかもいつまで走るのかも関係なくこの瞬間)走っている。となるのだ。
察しが良い人は気づくかもしれないが、長いこと続く状態を表す状態動詞とその瞬間だけを切り取る進行形は相性が悪いのである。
以上の理由から、状態動詞は進行形にはならないと教えられるのだ。
しかし、”今だけその状態である”ということを伝えたい場合、状態動詞を進行形にすることもできる。
例えば
“I’m just living in Tokyo.”(私は東京に住んでいる。)
であれば、”今だけ住んでいて普段は違うところに住んでいる”といったニュアンスで伝わるのである。
状態動詞と形容詞の区別
余談だが、名詞の状態を表す形容詞と状態同士の区別が曖昧な人が一定数いるように思われる。
この混乱は、”形容詞が名詞(人や物)の状態を説明するものだ”と教えられたことに由来するのではないか。
日本語で考えれば、「う」段で終われば動詞、「い」段で終われば形容詞と単に判断すれば良いのである。
しかしここではあえて用法で違いを定義してみる。
形容詞の特性上、名詞の形(つまり外見)の状態を説明している点に注目してみるといいだろう。
反対に、状態動詞はすぐには変化しないような状態を表し、名詞の見た目を説明するようなものではないのだ。
例えば、”live(住む)”はすぐには変化しないような状態と考えることができるので、状態動詞と認識できる。
反対に、”pretty(かわいい)”のようなものは、人や物の外見の状態を説明しているので形容詞と認識できる。
自動詞と他動詞
動作動詞と状態動詞の区別について確認したところで、動詞の最も重要とも言える区別をしてみよう。
それは、自動詞と他動詞の区別である。
英語における動詞は、すべてに使い方が割り振られており、使った動詞に沿ってその後の文章の形が決定する。
そこで重要視される要素が、自動詞と他動詞である。
それぞれの定義について確認してみよう。
まず自動詞だが、自動詞とは自分自身で一定の意味を通じさせられる動詞のことである。英文法的な視点で見れば、後ろに目的語が続かない動詞を意味する。
実際に文章での例で確認してみよう。
以下は自動詞を用いた例文である。
① He swims in the river.(彼は川で泳いでいる。) ② John is always skeptical.(Johnは常に懐疑的だ。)
①も②も「〜を、〜に」に該当するような目的語はないことがわかるだろう。
①のように後ろに補語を必要としない動詞、つまり第一文型に分類される動詞は、完全自動詞と呼ばれる。
反対に、②のように後ろに補語を必要とするような動詞、つまり第二文型に分類される動詞は、不完全自動詞と呼ばれるので覚えておこう。
次に他動詞だが、他動詞とは、意味を成り立たせるのに他の要素が必要な動詞のことである。英文法的な視点で見れば、後ろに目的語が続く動詞を意味する。
実際の文章での例で確認してみよう。
以下は他動詞を用いた例文である。
① Jane has nice shoes. (Janeはおしゃれな靴を持っている。) ② He taught me English. (彼は私に英語を教えた。) ③ Dona found it difficult to learn Spanish. (Donaはスペイン語の学習は難しいことがわかった。)
他動詞は①のように目的語だけが続く第三文型、②のように目的語が二つ続く第四文型、目的語と補語が続く第五文型の三種類がある。
動詞には自動詞・他動詞があらかじめ割り振られているので、動詞を学ぶ度にその使い方について確認するようにしよう。
動詞の活用形
最後に、動詞の活用形について考えてみる。
動詞の活用は、be動詞と一般動詞で分かれているが、それらについて確認する前に、共通の活用についてルールの再確認をしよう。
すべての動詞に共通して言えることとして、現在形-過去形-過去分詞形の三つの活用が存在することが挙げられるだろう。
これらは文中で表したい時制や態に応じて使い分けられる。
では、be動詞について確認してみよう。
be動詞とは原型がbeである動詞のことで「〜は…である」と主語の状態を表す際に用いられる。
大きな特徴としては、
主語が一人称( I )であり、尚且つ現在形であれば”am”を二人称(You)あるいは複数であり尚且つ現在形であれば”are”を、三人称であり、尚且つ現在形であれば”is”を用いることが挙げられる。
また、主語が二人称(You)あるいは複数であり尚且つ過去形であれば”were”を、それ以外の過去形であれば”was”を用いるというルールがある。
過去分詞形には主語による変化は見られず常に”been”を用いる。
併せて、一般動詞についても確認してみよう。
一般動詞とはいわば、be動詞以外の動詞のことである。
三人称単数の現在形において、一般動詞の後ろには”s”がつけられる。
しかし、全ての動詞に”s”をつければ良いのかというとそういうわけではなく、以下の場合には例外的な変化をする。
①s,o,x,sh,chで終わる動詞 → “s”ではなく”es”をつける。
②子音字+yで終わる動詞 → “y”を”i”に変えて”es”をつける。
③have → has
*子音字 : a,i,u,e,o以外の音
また、一般動詞においてもう一つ大きな特徴を挙げるとすれば、規則動詞と不規則動詞だろう。
規則動詞とは一定のルールに則り、過去形や過去分詞形を形成する動詞のことである。
以下は規則動詞のルールである。
①”e”で終わる動詞 → “d”をつける
②子音字 + ”y”で終わる動詞 → “y”を”i”に変えてed
③それ以外で終わる動詞 → “ed”をつける
以上のルールをよく覚えておこう。
次に不規則動詞だが、これらは一定のルールを持たず、その単語独自の過去形や過去分詞形の形を持つ動詞のことである。
以下は不規則動詞の活用の例である。
①make-made-made (を作る) ②write-wrote-written (を書く) ③cut-cut-cut (を切る)
上記のように、不規則動詞の中には、①のように過去形-過去分詞で形が変化しないもの、②のように現在形-過去形-過去分詞形で全て形が異なるもの、③現在形-過去形-過去分詞形で全く形の変化がないもの など多岐にわたる。
まとめ
この記事では動詞の基本知識についての確認を行なってきた。
まとめると以下のようなことが言えるだろう。
①動詞とは”文中の行動や状態を表す品詞”である
②動作動詞と状態動詞の区別がある
③自動詞と他動詞があり、この分類で文の構成が決まる
④活用が存在する
以上の特徴をよく押さえて、英語をマスターしよう。