いよいよ品詞に関する解説も佳境に入った。
これまで文の要素や修飾語について触れてきたが、今回はこれらとはまた別の機能語と呼ばれるものに着目していきたい。
もちろん前回扱った前置詞についても機能語の側面は十分にあるのだが、今回扱う「冠詞」については日本語に表れないものもあるなど、我々日本人には感覚をつかむのが大変難しい。
今回はそんな冠詞について基本的な考え方や定義について確認していく。
この記事は英語を1からしっかりと学びたいと思っている人や冠詞のあやふやな認識をしっかりとしたものへ昇華させたい人に向けた記事なので、基礎が固まっている場合には読み飛ばすことを推奨する。
冠詞とは何なのか
早速冠詞について定義していこうと思う。
冠詞とは、名詞の前に置かれる単語で、名詞を特定したり一般的に示したりする役割を果たす。
実は冠詞に分類される言葉自体は少なく、以下の3つを冠詞として覚えておけばまず間違い無いだろう。
以下は冠詞の例である。
a・an・the
これら冠詞は名詞の前につくことが一般的とされている。
形容詞が副詞が入る場合には「冠詞→副詞→形容詞→名詞」の順で多くは表される。
また、固有名詞や複数形には冠詞は通常つかないのでこちらのルールに関してもぜひ念頭に入れておいてほしい。
(固有名詞の例外として The United Statesや The Shinano Riverなどの川の名前などには”the”がつく。)
定冠詞と不定冠詞
続いて、冠詞の分類を行いたいと思う。
冠詞はその特性から定冠詞と不定冠詞に分けることができる。
まずは定冠詞について解説を行う。
定冠詞とは、「the」で表される冠詞を意味する。
定冠詞は、特定の名詞を指定するために使用され、それが話者や聞き手に既知または特定のものであることを示す。
よって、話者と聞き手が特定の物や概念についてすでに知っているか、または文脈から特定できる場合に使用される。
例文に関しては不定冠詞との比較を用いることとする。
続いて不定冠詞について解説を行う。
不定冠詞とは、「a」または「an」で表される冠詞を意味する。
不定冠詞は、特定の名詞を指定するのではなく、未知のものを表す際に使用される。
不定冠詞を使うことで、話者や聞き手が具体的な名詞を特定するのではなく、一般的な概念や未知の物事を指すことができる。
以下は定冠詞と不定冠詞を比較するための例文である。
I bought a new laptop.(新しいラップトップを買ったよ。) Oh, I want to see the laptop.(おお、そのラップトップ見せてよ。)
最初の文では”laptop”を聞き手が認識していないため不定冠詞である”a”が使われる。
しかし、後半の文では話者も聞き手もどの”laptop”の話なのかを認知しているため定冠詞である”the”が使われるのである。
冠詞相当語
冠詞の基礎知識は以上であるが、もう1つ知っておいてほしい知識がある。
それが冠詞相当語である。
冠詞相当語とは、名前の通り冠詞に相当する言葉であり、これらが名詞の前についている場合には冠詞をつけることができないというルールが存在する。
冠詞相当語として数量、所有、指示を表す言葉が挙げられる。
以下は冠詞相当語の例である。
① This is my car.(これは私の車だ。) ② I bought some apples.(りんごをいくつか買った。) ③ I like this shirt.(このシャツが好きだ。)
①は所有を表す冠詞相当語(所有代名詞)の例である。
同じ分類として”My,” “your,” “his,” “her,” “its,” “our,” “their”などが挙げられる。
②は数量を表す冠詞相当語(数量詞)の例である。
同じ分類として”Some,” “many,” “few,” “several,” “all,” “both,” “none”などが挙げられる。
③は指示を表す冠詞相当語(指示代名詞)の例である。
同じ分類として”This,” “that,” “these,” “those”などが挙げられる。
まとめ
この記事では冠詞の基本知識についての確認を行なってきた。
まとめると以下のようなことが言えるだろう。
①冠詞は名詞の前に置かれる単語で、名詞を特定したり一般的に示したりする役割を果たす
②冠詞は固有名詞や複数形には冠詞は通常つかない
③定冠詞は特定の名詞を指定するために使用され、それが話者や聞き手に既知または特定のも のであることを示す
④不定冠詞は特定の名詞を指定せず、未知のものを表す際に使用される
⑤冠詞相当語は名前の通り冠詞に相当する言葉で、これらが名詞の前についている場合は冠詞をつけることができない
以上の特徴をよく押さえて、冠詞をマスターしよう。